我が家では自宅の改築工事が竣工したばかりなのですが、床板・天井や家具などに使用した無垢材は自然塗料で住まいの経年変化を楽しんでいくことにしました。
自然塗料とは
自然塗料は天然材料を主成分とした塗料で木材の保護という点では石油や合成顔料を含んだ塗料に比べると弱いですが、木目を活かした温もりのある仕上がりや手触りなど、時間をかけて変化していく経年変化が天然素材の木材ならではの味わいになってくるのも魅力的な一面です。また、塗料ができるまでのあらゆる段階で生態系に負荷を与えずエネルギー消費が少ないものを意識して作られているので環境や人体への悪影響も少ないです。
約10年程前には建物の建材から放出される化学物質が人体と環境に悪影響を及ぼす問題もあったことから、木材に使用する塗料に関しても自然材料からできた自然塗料が最近注目されるようになっているため、私たちも迷うことなく自然塗料を選ぶことにしました。
自然塗料は大きく3つのタイプに分別されます。
- オイル系
表面に塗膜を作らず木の内部に浸透するため木材本来の美しい木目の質感が浮かび上がりしっとりとした仕上がりになります。 - ワックス系
木の表面をコーティングして傷や汚れから守り、何も塗装をしていない状態の無塗装のような自然な仕上がりになります。 - オイルワックス系
オイル系とワックス系の両方の仕上がりを兼ね備えた仕上がりになります。
自然塗料といっても人によっては体質的に合わないものもあると思うのでその点は気をつけておきたいところですね。
自然塗料を木材に塗装する
自然塗装は色々と販売されていますが、数あるなかからクリアオイルの「KREIDEZEITI(クライデツァイト)」を無垢材に塗装することにしました。
サラッとしています。
木材に塗料をする意味は、以下の点があげられます。
- 腐食を防止するため
一部の木材を除き木材は湿気に弱く湿った状態が続くとすぐに腐ってしまうためです。 - 汚れを防止するため
水など液体が木材に付着するとシミになったりカビが発生してしまいます。そのため塗装をすることで液体が木材に染み込みシミになるのを防ぎ、さらにはカビの発生を抑えてくれます。 - 仕上がりを美しくするため
職人が製作して下さった木材はそのままで十分美しいのですが、木材に塗装をすると木目が綺麗に見えるのでより輝きと美しさが増します。
「KREIDEZEITI(クライデツァイト)」はクライデツァイト社とプラネットジャパンとの共同開発によって生まれた100%植物油と植物性ワックスを使用した純自然塗料です。また、無垢材の特徴を最大限引き出し人や環境にも配慮することも大切にされています。
内装に関わる殆どの無垢材に至るまでを自分たちで塗装をしました。無垢材以外にも開き戸などのフラッシュ材にも使用しました。
こちらは棚の一部で塗装前の状態です。
それでは塗装していきます。
少量の塗料を刷毛にとり、無垢材にしっかりと塗料を伸ばしていきます。
サラッとしているので塗装がしやすくベタつかないのも初心者にとってありがたいところです。
匂いは個人差ありますが比較的少ないです。
塗装面の余分な塗料をウェスやぼろ切れなどでベタつきが残らないように拭き取ります。
1回目の塗装が乾燥したら、より木材をコーティングし傷や汚れから守るため2回目の塗料を施します。
1回目と同様に少量の塗料を刷毛にとり、無垢材にしっかりと塗料を伸ばしていきます。
側面など細かい部分も塗り残しがないように気をつけます。
塗装面の余分な塗料をウェスやぼろ切れなどでベタつきが残らないように拭き取ります。
これが仕上げの塗装になるのでより丁寧に拭き取ります。
塗装に使用したウエスやぼろ切れなどは自然発火を防ぐために必ず水に浸しておきましょう。
また、オイルが染み込んだ刷毛や養生で使用した新聞紙なども水に浸して処分します。
自然塗料は他にもたくさん
今回の我が家の自宅の改築時に使用した自然塗料は「KREIDEZEITI(クライデツァイト)」で無垢材全般を塗装しましたが、「U-OIL(ユーオイル)」のというものも一部の木材で使用してみました。
「U-OIL(ユーオイル)」は「REIDEZEITI(クライデツァイト)」に比べると匂いと手に付着した時のベタつき感が少し気になりました。しかし、匂いに関しては両者共に仕上がった後は無臭になります。大きな違いでいうと成分は似ていますが「U-OIL(ユーオイル)」の方が比較的安価でお求め易いかと思います。
ただ、これらの点に関しては他の自然塗料を含めて成分や匂いによっては体質的な部分や好みなどで変わってくるのため選別が必要になってきます。
ちなみに、今回の木材に使用したオイル以外でも成分によって木材の風合いも違ってくるので、それぞれの自然塗料で住まいの楽しみ方の想像が膨らんでいきますね。
まとめ
自然塗料の素晴らしい点は何より"塗り直しができる"ということです。塗装を重ねることで無垢材の味わいを優しく復活させ、木の生命が蘇りさらには家族の住まいと共に末永く美しく使用していくことができます。
自然塗料は住まいの歴史を共に塗り重ねることができるので、こういった一つ一つの作業も豊かに生きる行いとして大切にしていきたいです。