暮らしについて

世代を越えて、大切にされているものから想うこと

子供が小学生になり、稚児行列に参加しました。

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お稚児さんで身に付ける衣装の下には、主人が幼い頃、主人の母が娘のために仕立てた長襦袢を着用しました。

稚児行列に使用した長襦袢

稚児行列は、お子さまを天童子(天界に住んでいる童男・童女)の姿に着飾って、列を組んで練り歩くことです。
天童子として仏様にお仕えすることによって、仏天のご加護をいただき、子どもたちの無病息災や健やかな成長を祈念します。

長襦袢は、主人の母が大切にしている箪笥から取り出しました。

母が娘のために仕立てた長襦袢を、世代を越えて娘のために使用することにしました。

お稚児さん当日は、お天気も良く気温も高かったので、たくさん汗をかきました。
お化粧や汗染みもいくつかありました。

着用後は、着物用ハンガーにかけて、風通しの良いところで半日から1日陰干しをして湿気を飛ばします。 

そして、無事にお参りをさせて頂いた数日後、長襦袢を持って行きつけの和装専門店にクリーニングの見積もりに伺いました。

専門店の方に長襦袢を見て頂くと、即座に「ご自分で洗えますよ」とのご返答が。
素材はポリエステルのため、容易にホームクリーニングできるとのことでした。

素材を傷めないか心配だったので少し戸惑っていたところ、専門店の方から「大丈夫、頑張って洗ってみよう。」と後押ししていただきました。

長年ついた汗の染みは落ちませんが、今回の汗の成分は洗い流せるとのことでした。また、長襦袢のほどけている刺繍部分は、修正してから洗うことも教えてもらいました。

過去に、娘のお宮参りで使用した際はクリーニングに出しました。おそらく、当時も同じことを言っていただいたかと思いますが、産後の身体や時間の余裕がないなどを理由に、専門店の方にお願いしたのだと思います。

ですが、今回は自分の手で洗ってみることにしました。

使用した長襦袢を洗う

ほどけた部分は修正することに。

針や糸を通すのもドキドキします。

裁縫後は、無香料・無着色の洗濯洗剤と柔軟剤を用意し、ぬるま湯で優しく手洗いします。

洗剤はいろいろと悩みましたが、デザインもすっきりしていて人と地球に優しい「ヤシノミランドリー」にしました。

そして、仕上げに柔軟剤を。

手洗い後は、洗濯機で少し脱水し陰干しします。

無香料の洗剤を使用することで、本来の素材の香りが維持できした。

陰干し後、素材にシワがある場合は、あて布をしスチームアイロンでシワをのばします。

そして、綺麗に畳んで元の箪笥に戻します。

また、今回のお稚児さんの衣装には、私の母が私の嫁入りの際に用意してくれた、腰紐も使用しました。
とても感慨深いものがあります。

まとめ

自宅で初めて行った、長襦袢の手洗い。

長襦袢を準備してから箪笥に収納するまで、約一週間はかかりました。
実際に、自分の目で見て触れて向き合うと、ものに対して思考を巡らせることができます。また、そのものを大切にしていきたいと思うよにもなり、今あるたくさんの持ち物を大切に扱えているかということも、問われているような気がします。

家族何世代にも渡って使われていくもの。
今後も大切にしていきたいです。

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