畑の風が、少し冷たく感じるようになってきました。
黒豆の実がふくらみ、ほうれん草の種をまく頃。畑の隅ではマリーゴールドやコスモスが風に揺れ、庭のめだかの水草にも小さな白い花が咲いていました。
実りを待つ畑の時間と、季節を告げる小さな花や生きものたち。
その光景に、秋の深まりを感じます。
黒豆の実りと畑の時間

7月に植えた黒豆が、10月になると枝いっぱいに実をつけました。
青々とした葉の間から、ふくらみ始めたさやが顔をのぞかせ、季節が少しずつ実りへと向かっていることを感じます。
収穫した黒豆を茹でて器に盛ると、日差しの中で葉が風に揺れ、虫の声が響く畑の時間が、手元にぎゅっと詰まったようです。
手を動かすたびに、夏から続く時間の流れが思い出されます。
ほうれん草の種まき

黒豆の収穫が近づくころ、畑の一角では新しい季節に向けての準備も始まります。
10月下旬、土をならし、ほうれん草の種をひと粒ずつまきました。わらかな土に小さな粒をそっと落とし、軽く土をかけていく。
芽吹くまでの静かな時間も、畑しごとの大切なひとこまです。
これからの季節、寒さの中でゆっくりと育っていく姿を楽しみにしています。
畑を彩る秋の花たち

畑の周りには、マリーゴールドやケイトウ、そしてコスモスや猫じゃらしの穂が秋風にそよいでいます。
作業の合間に摘んだ花を花瓶に生けると、畑の空気がそのまま家のなかに届いたような気がしました。
花々の色合いが少しずつ深まっていくのも、この季節ならではです。
庭のめだかと小さな花

庭では、めだかがゆらゆらと泳ぐ水面の上に、オオカナダモの白い小さな花が咲きました。
見過ごしてしまいそうなほど小さな花ですが、光に透けるその姿は静かな美しさをたたえています。
季節は少しずつ移り変わりながら、畑にも庭にも、たくさんのいのちが息づいています。
おわりに

畑の実りも、庭の花も、少しずつ冬支度を始めています。
黒豆の香り、ほうれん草の種、めだかの泳ぐ音。
どれも小さな日常の風景ですが、そこには確かな季節の手ざわりがあります。
また次の季節に、どんな色が訪れるのか。
静かな畑に立ちながら、その続きをそっと楽しみにしています。
動画で見る秋の畑しごと
秋の畑しごとの様子を、動画でもご覧いただけます。
黒豆やほうれん草、秋の花、そして庭のめだかまで、静かに移ろう季節のひとこまをお楽しみください。